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「知的障害のことを知ってほしい!」浜松で47年、地域で福祉の枠を超え仕事を創り続ける就労継続支援B型が目指すもの【くるみ共同作業所 峰野和仁さん】

くるみ共同作業所の峰野さんが写っている。

昭和52年から続く歴史ある作業所として、知的障害のある方の「働く」を支え続けてきた社会福祉法人復泉会 くるみ共同作業所

生活介護と就労継続支援B型の多機能型事業所として、印刷事業や食品加工、施設外就労など多彩な仕事を展開し、地域との連携を大切にしながら利用者の自立を支援しています。

今回は、平成12年の法人設立時から同事業所で働き、現在は管理者兼サービス管理責任者を務める峰野和仁さんに、事業所の歩みや仕事づくりへの想いについてお話を伺いました。

目次

くるみ共同作業所の基本情報

事業所名くるみ共同作業所
運営法人社会福祉法人復泉会
所在地〒431-1304 浜松市中央区三幸町201-5
電話番号053-430-6180
FAX053-430-6181
事業内容生活介護・就労継続支援B型・日中一時支援事業
利用者数53名(2025年1月時点)
主な対象知的障害のある方
設立昭和52年(無認可作業所として)/平成12年(法人化)
主な作業内容印刷作業、食品加工、内職作業、施設外就労(洗浄業務・水耕栽培など)
平均工賃(月額)約5万円(B型)/約1万5,000〜6,000円(生活介護)
公式サイトhttps://kurumi52.org/

知的障害のある方が「働く」を通して自立を目指す場所

やすまさ

本日はよろしくお願いします。
はじめに「くるみ共同作業所」のご紹介をお願いします。

峰野さん

くるみ共同作業所は、障害福祉サービス事業として生活介護と就労継続支援B型の2つを多機能型で運営しています。
主に知的障害のある方が、働くことを通して自立を目指すというコンセプトです。就労継続支援B型はもちろん働くことが中心ですが、生活介護も同様に「働く」を中心に据えているのが特徴ですね。

やすまさ

生活介護でも生産活動をされているんですね。
利用者さんはどのような方が多いですか?

峰野さん

知的障害のある方がほとんどで、ダウン症や自閉スペクトラム症の方もいらっしゃいます。
全体で生活介護と合わせて53名の利用者がいるんですが、そのうち半分くらいが一度、一般企業を経験している方なんです。

やすまさ

そうなんですね。それは意外でした。

峰野さん

一般企業で働いてみたけれどうまくいかなかった方や、加齢によって通勤が大変になった方など、もっと落ち着いて仕事がしたいという方が多いですね。
安心して働ける場所を探している方が多いのが実情です。

やすまさ

通所頻度はどのくらいの方が多いですか?

峰野さん

ほとんど毎日来ている人が多いですね。
週5日くらいでしょうか。

くるみ共同作業所の画像。

昭和52年から続く歴史と仕事内容の変遷

やすまさ

くるみ共同作業所が始まった経緯を教えていただけますか?

峰野さん

元々は昭和52年頃から、法人格を持たない無認可の小規模作業所として始まりました。
昭和54年に支援学校の義務化があり、その卒業生の受け入れ先として発展してきた経緯があります。
くるみ共同作業所として現在の場所にできたのは平成12年で、その時に社会福祉法人の法人格を取得しました。

やすまさ

仕事内容はどのように変わってきたのでしょうか?

峰野さん

元々やっていたのは印刷や、浜松は楽器・オートバイ・自動車などの産業が盛んなので、それらの下請けの内職的な仕事でした。
印刷は昔は活版印刷で、文字を探すのが利用者の仕事だったんですが、今はデジタル化して大きなコピー機のような機械を動かす仕事に変わっています。
印刷の仕事自体も、一般のお客様よりも障害者優先調達で行政や学校の封筒印刷などが多くなってきました。

やすまさ

内職の仕事も変化がありましたか?

峰野さん

リーマンショックで仕事が全然なくなってしまった時期があって。浜松市の北の方は農業が盛んなので、3年ほど農業に挑戦したんです。
じゃがいもが有名な地域で、ポテトチップスの原料を作れないかという話があって。
農家さんからは8トンくらいできると見込んでいたのに、実際は1トンくらいしかできなくて(笑)。

やすまさ

それは大変でしたね。

峰野さん

そこから今は内職的な仕事も続けながら、食品加工に力を入れています。
隣がお米の農家さんなのでお米のお菓子を作ったり、ドライ野菜やハーブを粉末にしたり。
あとは施設外就労も積極的にやっていて、お弁当屋さんの洗浄業務や水耕栽培の現場にチームで行ったりしています。

くるみ共同作業所で食品加工をしている写真。

「くるみの凹凸ノートシリーズ」誕生秘話

やすまさ

ホームページで見た「くるみの凹凸ノートシリーズ」についても教えてください。

峰野さん

印刷をやっていると余分に紙を頼むことがあるので、それをうまく活用できないかということで始めた事業です。
エンボス加工で紙を通すだけで凹凸ができて、その凹凸があることでボールペンの走りが良くなったり、筆圧が弱い人でも書きやすくなるんです。
印刷事業の付随としてエコ活動的な意味もありますし、紙を機械に通すだけの仕事なので重たい障害があってもできるというのがきっかけでした。
今は注文もいただいているので、専用に紙を購入して作っています。

地域連携で仕事を創る

やすまさ

くるみ共同作業所の強みや特色はどんなところですか?

峰野さん

地域のものを使って、地域が活性化できるようにということを意識しながら仕事を受けたり作ったりしています。
例えば、地元の中学生がデザインしたラベルを使った商品を販売させてもらったり。あまり福祉業界の人たちが手を出さないようなことにも挑戦していますね。

やすまさ

地域との連携に力を入れているのですね。
具体的にはどんなことをされているのでしょうか?

峰野さん

数年前の大河ドラマ「どうする家康」の時には、大河ドラマ館にうちの商品が普通に並んでいました。
今は浜松市が「シン・ハママツ計画」としてエヴァンゲリオンとコラボしているんですが、そのキャラクターを使った商品も浜松市や商工会議所と連携しながら作っています

やすまさ

すごいですね!そういった仕事づくりがうまくいっている秘訣は何かありますか?

峰野さん

やっぱり外との繋がりが一番ですね。
工賃を稼ぐだけじゃなくて、こういう場所に商品が置いてあったということが、利用者——うちでは「仲間」と呼んでいるんですが——仲間たちの誇りになればいいなと思いながら仕事をしています。

くるみ共同作業所で作った商品の写真。

リーマンショックで学んだ「仕事を創る」大切さ

やすまさ

長く働かれている中で、印象に残っているエピソードはありますか?

峰野さん

「シン・ハママツ計画」で商品を出した時、まだ売り先をあまり考えていなかったんですが、逆に富士山静岡空港さんから「販売させてほしい」と連絡が来たりして。そういうのは面白いですね。

やすまさ

仕事がうまく形になる時は本当に嬉しいですよね。

峰野さん

逆に一番大変だったのはリーマンショックの時です。
本当に仕事が80%くらいなくなってしまって。でも仲間たちは毎日来るんです。
その時は広告紙を丸めてアンデルセン手芸みたいなものを作ったり、本当にお金にならない仕事をずっとやっていました。

やすまさ

それは厳しい時期でしたね。

峰野さん

その経験から、仕事を創ることの大切さを実感しました。
それ以来、いろんなところと連携しながら仕事を作っていくことを意識しています。

くるみ共同作業所の作業風景の写真。

知的障害への理解を広げたい!

やすまさ

今後、事業所として挑戦していきたいことはありますか?

峰野さん

最近すごく実感しているのは、知的障害が世間にあまり知られていないなということです。
小学校で目の見えない人や耳の聞こえない人のことは習っても、知的障害や精神障害については習わないじゃないですか。
そういう人たちを企業で雇用しますと言っても、知らない人たちには難しいですよね。
だから知ってもらう機会をたくさん作っていかないといけないと思っています。

くるみ共同作業所の作業風景の写真。

採用情報・お仕事の募集

やすまさ

最後に、告知などがあればお願いします。

峰野さん

今は利用者さんはお陰様で定員が埋まっているので新規の利用は難しいのですが、働く職員は募集しています。
うちは仕事がメインの事業所なので、資格があってもなくても大丈夫です。
工場で働いていた経験がある方が転職してきて活躍しているケースもあります。
仕事も随時募集しています。
できれば施設外就労で、外に出ていく仕事があればありがたいですね。
職員と仲間たちでチームで行くので、工賃を稼ぐだけでなく、そこの方たちと接することでお互いにメリットがあると思っています。
あとは、障害のことで困ったことがあれば、お話に伺いますので気軽にご連絡ください。

やすまさ

本日は貴重なお話をありがとうございました!

峰野さん

ありがとうございました!

社会福祉法人復泉会 くるみ共同作業所 
所在地:静岡県浜松市

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この記事を書いた人

株式会社パパゲーノ代表取締役CEO / 「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、東京で「パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)」の運営や、支援現場のDXアプリ「AI支援さん」を開発。精神障害のある方との事業開発がライフテーマ。

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