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障害のある人が製造から販売まで全工程を担うお菓子づくりへのこだわり【就労継続支援B型事業所ころん 管理者 浅井龍さん】

北九州のJR南小倉駅徒歩1分の場所にある就労継続支援B型「ころん」は、お菓子づくりの全工程を利用者が担い、販売もオープンに行う事業所です。管理者の浅井龍さんは、まず運営指導への備えや会計・BCPなどの土台整備から着手し、次に生産活動を「お菓子1本」に絞ったとのこと。小規模だからこそできる挑戦のストーリーを伺いました。

目次

就労継続支援B型「ころん」の基本情報

事業所名就労継続支援B型事業所「ころん」
運営法人一般社団法人きみの居場所
所在地〒803-0851
福岡県北九州市小倉北区木町3-6-16 ふじビル
事業内容就労継続支援B型
定員20人
主な対象身体・精神・知的障がいのある方、難病患者の方
主な作業内容調理、接客、清掃、軽作業、IT系作業
公式Instagramhttps://www.instagram.com/kitchen_coron/

JR南小倉駅徒歩1分!就労継続支援B型「ころん」とは?

やすまさ

はじめに、浅井さんの自己紹介と「ころん」について簡単に教えてください。

浅井さん

就労継続支援B型「ころん」で、管理者とサービス管理責任者をしています。以前はIT系の営業をしていて、その後、福祉業界に転職しました。
障害・介護の中でAIやDXの視点で少しでも貢献したいと考えています。

やすまさ

就労継続支援B型「ころん」さんはどんな特徴がありますか?

浅井さん

「ころん」は1拠点で、利用者数は15名ほどです。
外部に向けた発信を少しずつ進めて、少しずつ地域に認知いただいています。

利用者の方がお菓子作りをしている様子

「お弁当」から「お菓子1本」へ

やすまさ

生産活動は今、お菓子づくりが中心なのでしょうか?

浅井さん

はい。以前はお弁当もやっていたのですが、採算が合わず、お菓子づくり一本にしました。
店舗も併設していて、カフェのような雰囲気でブランディングを意識しています。

やすまさ

企業からの受託業務などはされていないんですか?

浅井さん

今は基本的にやっていません。
委託だと単価が上がりにくく、難しさがあります。
そのため、自社のお菓子作りの取り組みに集中している形です。

やすまさ

選択と集中をしていったんですね!

キッチンころんの外観
赤い建物にガラス張りで、黄色のロゴがドアに貼ってある

全ての作業工程を「利用者が担う」設計

やすまさ

利用者さんはどのような方がいらっしゃいますか?

浅井さん

近くに特別支援学校があるので、特別支援学校を卒業後すぐの方が多く在籍いただいてます。
年齢層はとても若く、平均年齢は20代です。
最近は精神障害のある方も増えてきています。

やすまさ

作業内容としては、お菓子づくりの工程に関わるのでしょうか?
接客をする方もいるんですか?

浅井さん

はい。お菓子づくりの工程も販売も、基本は利用者さんが担っています。
この点は珍しいと思うんですけど、「障害のある利用者さんができることしかやらない」という考え方で事業を運営しています。
つまり、職員が工程を巻き取らないようにしているんです。

やすまさ

線引きを作らず、全ての仕事を利用者さんが担う設計なんですね。

浅井さん

そうです。職員が巻き取る形にすると、結局そこに依存が生まれてしまいます。
そのため、最初から「利用者さんが主役で回す」事業作りにしています。

ガラス張りの厨房とオープンな販売

やすまさ

写真を拝見して、とてもオープンな店舗だなと感じました。

浅井さん

そうなんです。厨房はガラス張りで、オープンキッチンのように見える作りです。
販売も利用者さんが行います。
一般のお客さんが多いのですが、近所のおじいちゃんおばあちゃんが「今日も頑張ってるね」と声をかけてくれるんです。
そういう関わりが、「ころん」の強みだと思っています。

やすまさ

「ころん」さんの仕事内容について、利用者さんの反応はいかがですか?

浅井さん

お菓子作りと販売の全工程を担うので責任感も必要ですし、簡単ではないです。でもその分やりがいは感じていただいてます。
以前は「あなたはこれだけ」と決められていた経験がある方も多い中で、うちは原則として「やりたい」をやってもらう。
失敗も前提に、やってみて、失敗したら一緒に考える
やる気がある方ほど、「ころん」の仕事を評価していただいている印象です。

手前に焼けたクッキーが並んでいて、奥に利用者の方が立っている

立て直しの第一歩は「運営の土台整備」

やすまさ

浅井さんは昨年4月から入られたんですよね。
最初は何から着手したんですか?

浅井さん

最初は書面整備からです。土台を整えるところから始めました。
生産活動の収支や経営情報をきちんと可視化できているかなど、会計周りも確認して、地道な土台づくりをしていきました。
研修資料なども、資料はあるけれどほとんど見られていない状態だったため、より実効性が高まるようにしていきました。

やすまさ

個別支援計画や処遇改善加算、法定研修、委員会など制度対応が多いですよね。

浅井さん

そうですね。
まずは必要なところを揃えるところから始めました。

ころんの利用者の方とスタッフの方が数名笑顔で写っている

目指すのは「ストーリーのあるブランディング」

やすまさ

今後、挑戦していきたいことは何ですか?

浅井さん

就労継続支援B型の現場で働いてみて実感している課題として、障害のある方の仕事が、なかなか正当に評価されにくい現実があります。
評価してもらえる仕組みを作るのは簡単ではないですが、まずは「ころん」のお菓子づくりを“全員が一通りできる”状態にして、さらに「ストーリーをつけたブランディング」をしていきたいです。

やすまさ

お菓子の品質に加えて、ストーリーで差別化していくということですね。

浅井さん

はい。数字がすぐに伸びなくても、利用者さんが自信と誇りを持って働けるのが一番大事だと思っています。
北九州に密着した、小規模だからこそできるブランドを作れたらいいなと考えています。

ラッピングされたクッキーが袋からのぞいている

「今、こうやって自信を持って働けてます。」

やすまさ

利用者さんとの関わりで、印象深かった出来事はありますか?

浅井さん

昨年10月頃、北九州でNPOが関わるフードドライブのイベントに参加したんです。
来場者が100人以上、200人近く集まって、会社の社長さんや議員さんも来るような場でした。
そこで「ころん」の利用者さんがマイクを持って「今、こうやって自信を持って働けてます。楽しいです」と話してくれた。

やすまさ

すごいですね。大勢の前で緊張しそうな舞台で、利用者さんが事業所の魅力を語ってくれたんですね。

浅井さん

当日いきなりのぶっつけ本番でした。このような機会を作れたこともですし、利用者さんが「ころん」の魅力を言葉にしてくれたのが本当に嬉しかったです。
いわゆる「作業所的」な、機会的な運営だと、こういった言葉は出てこなかったと思います。

地域の方に気軽に立ち寄ってほしい!

やすまさ

最後に、読者の方へ伝えたいことがあればお願いします。

浅井さん

北九州のJR南小倉駅から徒歩1分の場所にあります。ぜひ気軽に立ち寄ってほしいです。
法人名も「きみの居場所」としている通り、用件がなくても来てもらって、障害のある方と触れ合ってもらう。地域のお客さんとして来る高齢者の方とも触れ合ってもらう。そういう場所になるのが理想です。
企業さんとのコラボなども含めて、できることは柔軟にやっていきたいです!

やすまさ

本日は貴重なお話をありがとうございました。
つくって、売るところまで利用者さんが担うからこそ、働く誇りや自信につながっていることが伝わってきました。
お近くの方は、ぜひ一度お菓子と一緒に「ころん」さんの空気にも触れてみてください!

就労継続支援B型事業所ころん 所在地:福岡県北九州市小倉北区木町3-6-16 ふじビル

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この記事を書いた人

株式会社パパゲーノ代表取締役CEO / 「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、東京で「パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)」の運営や、支援現場のDXアプリ「AI支援さん」を開発。精神障害のある方との事業開発がライフテーマ。

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