就労継続支援B型事業所において、「企業への就職」は年々重要なテーマとなっています。その中で、利用者の就職活動を後押しする仕組みとして欠かせないのが「施設外支援」です。
しかし「施設外就労との違いがわからない」 「報酬算定や書類作成のルールが複雑で、導入に踏み切れない」 といった悩みの声も少なくありません。そこで本記事では、就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の実践事例をもとに、施設外支援の基礎知識から具体的な導入フロー、国保連請求時の注意点などを解説します。
まき就職支援の体制を強化したい事業所さんは、ぜひ参考にしてください!
施設外支援とは?「施設外就労」との違い
就労継続支援B型事業所が事業所の外で支援を行う場合、大きく分けて「施設外就労」と「施設外支援」の2つの制度があります。
| 比較項目 | 施設外就労 | 施設外支援 |
|---|---|---|
| 目的 | 実践的な作業訓練・工賃の向上 | 就職に向けた「実習」や「面接」 |
| 活動内容 | 企業内での請負作業 | 職場実習の同行、面接同行、ハローワーク利用 |
| 支援方法 | 集団での活動がベース | 個別の就職支援 |
| 工賃 | 発生する(作業への対価) | 原則発生しない |
1. 施設外就労
- 目的: 実践的な作業訓練、工賃向上。
- 場所: 企業内(請負契約)、公共施設など。
- 形態: 職員同行のもと、集団(ユニット)で作業を行う。
- 特徴:
- 企業と業務請負契約を結ぶ。
- 作業に対する対価(工賃)が発生する。
- 本体定員と同数を追加で受け入れ可能(定員枠が広がる)。
2. 施設外支援
- 目的: 企業での就職に向けた実習、求職活動、定着支援。
- 場所: 企業のオフィス、ハローワーク、など。
- 形態: 個別の就職活動サポート(職員が同行)。
- 特徴:
- 個別のステップアップ支援。
- 工賃は発生しない。
- 180日(年間)の利用制限がある。
- 本体定員の中に含まれる。



「施設外支援」は、就職へのモチベーション向上や、職場の具体的イメージをつけるのに有効です。


施設外支援を活用する3つのメリット
利用者・事業所双方にとって、施設外支援を実施するメリットを整理すると以下の通りです。
利用者側のメリット
- 自己理解が深まる: 事業所内ではスムーズでも、実際の職場(電話音や環境音がある場所)でどう感じるかを知ることができます。
- 不安の解消: いきなりの就職ではなく、実習や見学を挟むことで自信につながります。
- ミスマッチの防止: 自分に合う環境かを事前に確認でき、早期離職を防げます。
事業所側のメリット
- 支援の質向上: 「推測」ではなく、現場での「事実」に基づいた的確な支援が可能になります。
- 就職者が増える: 就職活動の具体的な機会が増えて、就労移行支援体制加算などの実績にもつながります。
- 企業ネットワークの構築: 実際に足を運ぶことで、企業との信頼関係や新たな実習先の開拓につながります。
施設外支援を始めるための4ステップ
就労継続支援B型が「施設外支援」を導入するための具体的なフローは以下の通りです。


STEP 1:事前準備
- 運営規程への記載: 施設外支援を実施する旨を明記します。
- 自治体への届出: 自治体によっては事前の届出が必要な場合があります(例:杉並区では計画変更の提出が必要)。必ず指定権者に確認しましょう。
- 個別支援計画の更新: 「施設外支援を行う理由」「目標」を明記し、本人・サービス管理責任者の署名をもらいます。



杉並区のように、自治体独自のルールがあることもあるので、注意が必要です。
STEP 2:当日の実施
- 活動内容は「職場実習」「ハローワーク同行」「面接同行」「就職セミナー参加」などが対象です。
- ※対象外: 通院同行、家庭訪問、就労に関係のない外出など。



通院同行は就労スキルの向上にはつながらないため、施設外支援の対象外とされています。
STEP 3:記録・根拠資料の保管
ここが事務処理上の重要ポイントです。
- 日報作成: 利用者から「場所・時間・感想」などの聞き取りを行い、日報を作成します。
- 根拠資料(エビデンス)の回収:
- 実習の場合:受入確認のメール、実習結果のフィードバックなど
- 面接の場合:名刺、面接案内メールの写しなど


STEP 4:請求・モニタリング
- サービス提供実績記録票: 施設外支援を行った日を記録します。
- 180日ルールの管理: 年度内で180日を超えないよう日数を管理します。
- 毎月のモニタリング: 支援方針に変更がなくても、毎月のモニタリングと署名が必要です。



施設外支援は「工賃」は対象外です。
のべ利用日数(国保連の請求対象)には含まれるので、通所実績の管理方法を工賃用とは別で整備する必要があります。
報酬算定と国保連請求の注意点
施設外支援は「加算」ではなく、通常の基本報酬(定員・平均工賃月額に応じたもの)を算定します。特に注意すべきは以下の点です。
- 工賃は対象外: 生産活動ではないため、工賃は支給できません。
- 定員カウントには含まれる: 施設外就労とは異なり、事業所の利用定員枠内でカウントします。
- 送迎加算は対象外: 施設外支援の実施に対して送迎加算は算定できません。
- 毎月個別支援計画の更新が必要: 毎月1回のモニタリングと署名が必須となります。



請求ミスが起こらないように、最初は注意して行う必要があります。
パパゲーノでの成功事例と工夫
パパゲーノ Work & Recovery では、ITスキル習得に加え、「施設外支援」を積極的に行うことで就職実績を上げています。
施設外支援の事例:Hさん(就職決定)
就職への意欲はあるものの、なかなか一歩踏み出せなかったHさん。 支援員が同行して「障害者雇用の合同面談会」に参加したことをきっかけに、興味のある企業の実習に応募。実習での評価が高く、そのまま面接を受けて、内定に繋がりました。「現場を見る・体験する」ことが、利用者さんのモチベーションを大きく高める結果となりました。



「施設外支援」の体制を整備していないと、ボランティアで支援員が同行することになってしまいます。
「施設外支援」を始めると、このような個別の就職支援を積極的に行いやすくなるのでおすすめです!


事務負担を減らす「AI支援さん」の活用
施設外支援は「日報」「個別支援計画の更新」「エビデンスの管理」など事務負担が重たくなります。パパゲーノ Work & Recoveryでは、自社開発の支援記録アプリ「AI支援さん」やGoogleフォーム、Discordを活用して事務手続きを効率化しています。
- 利用者さんは施設外支援の結果をGoogleフォームで報告。
- 支援員はアプリで施設外支援に必要な書類のタスク管理を実施。



特に、個別支援計画の更新漏れが起こらないように進捗管理の徹底が必要です。
施設外支援で「就職」への道筋を
施設外支援は、制度が少し複雑で事務負担もありますが、利用者さんの「自分らしい働き方」を実現するためには非常に強力なツールです。まずは運営規程の確認と、意欲のある利用者さんの個別支援計画への盛り込みから始めてみてください。
パパゲーノでは、以下のサポートを行っています。
- 施設外支援導入のコンサルティング:ヶ月で施設外支援を開始できるよう、制度理解から現場への落とし込みまで伴走支援します。
- 支援記録アプリ「AI支援さん」:記録・書類作成をAIで効率化。1ヶ月無料トライアル実施中です!
- 事業所見学:パパゲーノの取り組みに興味がある方の見学は随時受付中です!
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



パパゲーノの支援員として、一緒に働く仲間も募集中です!













