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「AIがあれば、1人でもできることが増える」AIと福祉の現在地とパパゲーノのこれから【ふくしLabo出演】

2025年12月10日、YouTube番組「ふくしLabo」にパパゲーノ代表の田中康雅が出演しました。今回で5回目の出演となり、この半年間のパパゲーノの歩みと、これからの展望についてお話しました。

この記事では、番組でお伝えした内容のダイジェストをお届けします。

ふくしLaboとは 全国で活躍する福祉に関わる方々(福祉人)にフォーカスし、その活動や思いを発信するYouTubeチャンネルです。

やすまさ

「ふくしLabo」には、準レギュラーのような形で、出演させていただいてます!

目次

パパゲーノ Work & Recoveryは東京で3拠点体制へ

2025年3月、パパゲーノは世田谷区の用賀に2拠点目となる就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery 用賀」を開所しました。5月には、下高井戸でも活動を開始し3拠点体制となりました。現在は約120名の障害のある方が所属し、企業のDX支援の仕事に生成AIによるサポートを受けながら貢献しています。

下高井戸の拠点では、AHCグループが運営する約130の介護福祉施設に対する集客支援やDX支援業務を担っています。具体的には、放課後等デイサービスのホームページ制作・保守、SEO対策記事の作成、Googleビジネスプロフィールの整備、スタッフインタビュー動画の制作など、多岐にわたる業務を利用者さんと一緒に行っています。

開始から数ヶ月で利用者さんは14名に。着実に体制を整えながら、新しい働き方のモデルを模索しています。

AI支援さんが「現場の声」を反映して大きく進化

支援現場向けAIツール「AI支援さん」も、この半年で大きく進化しました。

新たに提供開始したAI支援さんの機能

  • AI画像読み取り機能:紙の書類やスキャンデータからの情報抽出が可能に。
  • タスク管理機能:個別支援計画やサービス等利用計画の進捗を、カンバン形式で管理。見学・体験から契約までの流れや、就職活動の進捗管理にも活用可能。

導入いただく事業所も増え、当初は就労継続支援B型が中心でしたが、現在は相談支援事業所、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)、就労移行支援事業所、さらには特例子会社まで、業態を超えた活用が広がっています。

AI支援さんの特徴は、事業所が普段使っているWordやExcelの書式をそのまま登録すれば、AIがその形式に沿った下書きを作成できる点です。汎用性の高さが、さまざまな現場での導入につながっています。

やすまさ

2026年には「AIチャットBOT機能」の実装も予定しています!

就労継続支援B型で、なぜ高度な仕事ができるのか?

番組内で「ホームページ制作やデバッグ作業など、かなり高度なことをしているように見える」というご質問をいただきました。

実際のところ、利用者さんの半数以上は「パソコンで仕事をするのが初めて」という方々です。では、なぜそうした方々が専門的な業務に取り組めるのか。その鍵は「AIへの質問力」にあります。

AIは「自分でもできる」を増やしてくれる社会資源

例えば、ホームページのデザインを調整したいとき、以前なら専門知識が必要でした。しかし今は、スクリーンショットを撮ってAIに「WordPressでこういう表示にしたい」と質問すれば、具体的な手順やコードを教えてもらえます。

AIは「これまで人に頼らないとできなかったことを、自分1人でもできるようにしてくれる」存在です。障害のある方にとって、これは大きな可能性の広がりを意味します。

パパゲーノでの就労スキル向上のステップ

  1. 基礎的なデータ入力業務からスタート
  2. 業務マニュアルを学習させた「仕事相談BOT(AIの支援員)」への質問力を身につける
  3. 生成AIを使い、自己学習の時間で応用力を身につける
  4. Googleスプレッドシート、Canva、WordPressなどの実務で使うツールとAIによる学習を組み合わせ、難しい業務に挑戦
やすまさ

まずは「AIにスクリーンショット画像を撮影して質問する力」を身につけていただいてます!

AIがもたらす「選ばれる理由」の変化

AIの普及は仕事の構造も変えつつあります。

AIを使えば、ある程度「標準的なアウトプット」は誰でも出せるようになる。そうなると、発注する側からすれば「どこに頼んでも同じ」になりかねません。いわゆる「コモディティー化」が起こります。

だからこそ、AI時代は「この人たちに頼みたい」「応援したい」という理由が、これまで以上に大切になってきます。障害福祉サービスとして地道に良い仕事を続けていれば、そうした「選ばれる理由」は自然と生まれてきます。

これからの1年は事業継承・出版・組織づくりに挑戦

番組後半では、今後の展望についてもお話ししました。

介護福祉業界の「廃業問題」を障害当事者と共に解決

2024年の報酬改定により、就労継続支援A型の廃業が相次いでいます。介護福祉業界の廃業問題を解決するために、障害当事者の2名と共同創業で「ケアのバトン」という会社を2025年9月に設立しました。

事業承継AIを開発し、買い手と売り手のマッチング支援をしていけるよう現在準備中です。経営者の体験談や失敗談を発信しながら、業界全体の持続可能性に貢献していきたいと考えています。ケアの視点と経営の視点を兼ね備えた人材が、次世代に良い形で支援をつないでいく事例を増やしていきます。

やすまさ

2025年12月9日(障害者の日)にクラウドファンディングを開始しています!ぜひクラファンページを見ていただけると嬉しいです。

2冊目の書籍執筆

2026年5〜6月の出版を目指し、新しい本の執筆を始めています。テーマは「やってはいけない支援現場のAI活用事例」です。

AIを導入したいけれど、リスクが気になって踏み出せない。そんな現場の不安を解消し、より正しい形でAIを活用できるよう、ヒヤリハットや失敗事例を集めてまとめていく予定です。先日開催した介護・障害福祉分野の生成AI実態調査の結果も分析し、今後の業界の方向性を提案していきます。

組織体制の整備

パパゲーノ Work & Recoveryが3拠点になり、利用者さん・スタッフともに増えてきて、全業務のマニュアル化プロジェクトや、入社時の研修整備など、持続可能な組織づくりを進めています。

また、「AI支援さん」の事業を成長させて、パパゲーノ Work & Recoveryの利用者さんをパパゲーノで雇用するような道筋もこの1年で実現したいと考えています。

やりたいことがある人には生きやすい時代

番組の終盤、ホストの皆さんと世代論の話になりました。

「YouTubeで無料で学べる」
「AIに質問すれば答えが返ってくる」

今の時代は、やりたいことがある人にとっては圧倒的に恵まれています。一方で、選択肢が多すぎて迷子になりやすい時代でもあります。SNSで世界中の「すごい人」と比べられてしまい、自分のアイデンティティを見つけにくい。

だからこそ、小さなコミュニティの中で成功体験を積むことが大切なのかもしれません。フォロワーを増やすことより、身近な場所で「自分はこれができる」という実感を育てていく。パパゲーノ Work & Recoveryが、そうした場所の一つになれたらという思いで、日々の支援に取り組んでいます。

やすまさ

約1時間のロングインタビューです。作業のBGMにもどうぞ。
ご感想はぜひYouTubeのコメント欄に記入いただけると嬉しいです!

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この記事を書いた人

株式会社パパゲーノ代表取締役CEO / 「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、東京で「パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)」の運営や、支援現場のDXアプリ「AI支援さん」を開発。精神障害のある方との事業開発がライフテーマ。

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