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【職業指導へのAI活用】パパゲーノの就労継続支援B型で大活躍している「仕事相談BOT」とは?

業務のルールがむずかしくて、毎回スタッフに聞いてしまう。
仕事に自信がなくて、不安になりやすい。
スタッフも忙しそうで、すぐに聞けないことがある。

就労継続支援B型の現場では、利用者さんが仕事の不安について、このようなモヤモヤを抱えやすいと思います。
パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)では、「仕事相談BOT」という業務マニュアルを読み込ませたAIに何度でも質問できる環境を構築しています。「まず聞いてみる相手」をAIで一人増やすことで、小さな不安を解消しやすくしています。

  • 「仕事相談BOT」がどんなものかを詳しく知りたい!
  • 生産活動へのAIの具体的な活用事例を知りたい!
  • 利用者の声から見える、仕事相談BOTならではのメリット

などをこの記事では解説します。

まき

就労継続支援B型の工賃向上や、業務効率化のためにもAI活用はおすすめです!
パパゲーノの事例をぜひ参考にしていただければと幸いです。

パパゲーノ Work & Recoveryとは?

「パパゲーノ Work & Recovery」とは、精神障害や発達障害のある方がITスキルを習得し、企業からの業務を受託しながら自分らしい生き方(リカバリー)を追求できる就労継続支援B型事業所です。八幡山・用賀・下高井戸の3拠点で約120名の障害のある方が在籍。体調や希望に合わせてパソコンを使った仕事で貢献しています。

目次

仕事相談BOTとは?

仕事相談BOTは「困ったときに、まず話を聞いてくれるAIの相談相手」です。チャットツールを使って「文字」や「画像」で質問すると、数秒で業務の困りごとに対して返事をくれます。

就労継続支援B型事業所は、一般企業での雇用がむずかしい障害のある方に対して、雇用契約を結ばずに就労の機会や訓練の場を提供する福祉サービスです。自分のペースで働く練習をしながら、作業に取り組みます。

仕事相談BOTは「作業や学習に関する小さな困りごと」をその場で解決するツールとして使います。

難しい専門用語を知らなくても、普段話している言葉で質問できます。「〜してください」「〜を教えてください」と、話しかけるイメージです。また、作業画面のスクリーンショットを撮影して、画像で質問することも可能です。AIが画像を読み取って、躓いているポイントを理解して、業務マニュアルに基づいた指導をしてくれます。

仕事相談botが利用者の質問に回答している一例の画像
まき

パパゲーノではDiscordというチャットツールの裏側でAIが動く仕組みを実装し、仕事相談BOTを運用しています。

相談先を増やし自律しやすくするためのツール

仕事相談BOTは、あくまで「質問しやすい、もう一人の相談先」を増やすためのツールです。

  • ちょっとした迷いや不安を、その場で相談できる
  • 同じことを何回聞いても、気まずさを感じにくい
  • スタッフが他の対応で手が離せないときの「つなぎ」になる

このような役割を持っています。仕事相談BOTにより、利用者さんは「自分ひとりでも仕事を進められる」ことが増えて、自律に繋がります。繰り返し質問していくことで、チャットでの報告・連絡・相談スキルも高まります。

一方で、業務マニュアルに記載のないイレギュラーはスタッフに相談いただいてます。仕事相談BOTも、「これはスタッフさんにも相談してみましょう」と促すように設計します。また、質問や回答の履歴は全てスタッフが確認できるようにしているので、AIが間違った回答をした場合も軌道修正ができるようにしています。

AIに任せきりにするのではなく、「人」と「AI」の両方が共存し職業指導を実施しています。

仕事相談BOTに対する利用者さんの声

実際に使っているパパゲーノ Work & Recoveryの利用者さんからは、次のような声が聞かれています。 

分からないことがあれば、まずBOTに聞いてみます。人に聞く前に、自分なりに問題を考えるきっかけにもなっています。

同じようなことを何度も聞いてしまっても、「仕事相談BOT」だったら困らせてしまったりするようなことがないので、安心して質問できます。

お仕事BOTは他の方も一度知って欲しいと思います。AIって聞いた事あるけど触った事は無い人はたくさん居ると思いますが。触るとすごいと感じると思います。

AIを活用しながら働くのを当事者の方にももっと勧めたいです。

「仕事相談BOT」はすごく良いと思います。頭では分かってるんだけど「聞いて不安を解消したい」という時もあったりします。聞きたいんだけど、聞くと怒られそうだと思っちゃう時とかもやっぱりあって。人間だと、何度も何度も同じことを聞いてしまうと、相手が怒ってしまうのも理解できます。それを避けるために業務でわからない部分を聞かないでいると、解決もできず、結局より深刻な問題が起きて怒られちゃう。AIは感情がないので、何回も同じことを聞いても、いつも同じように答えてくれます。それがすごくいいところです。何度も何度も、同じことを聞いても誰も何も怒らない。スタッフさんの時間も、利用者さんの ケアか、やりたいことの応援とか、「AIにできないこと」にコミットできる時間が多くなると思います。

仕事上の質問や疑問は人間に対しては、「何度も質問していると迷惑じゃないのか?」や同僚との人間関係といった問題で聞きづらい環境というのはどうしても出てきます。それがBOTによって気軽に聞ける環境があり解決しているのが素晴らしいと思いました。回答もしっかりしていて作業の教え方が聞く相手によって変わるといったトラブルが起きにくそうなのも良いと感じました。自分の能力不足や対人関係に長年苦しんだ私としては「そういった欠陥をツールで補えるのではないか?」といった可能性を見せてくれただけでも来てよかったなと思います。

このように、「相談できる相手が一人増えた」という安心感が、仕事相談BOTの大きな特徴です。

まき

精神・発達障害のある方にとっては、小さな不安が仕事を進める上で課題になることが少なくありません。
確認不安、対人不安がありながらも就労するための環境調整として、仕事相談BOTは非常に有効です。

データ入力業務でのAI活用事例

次に、仕事相談BOTの具体的な活用事例を紹介します。マニュアルに基づいた定型的なデータ入力の仕事で、仕事相談BOTは大活躍しています。

業務のルール確認

データ入力の作業では、「このパターンはどう入力すればいいのかな」と迷う場面が出てきます。作業マニュアルを読んでも、最初はイメージしづらいことも多いです。

仕事相談BOTに相談すると、

  • 作業ルールに合わせて、入力の仕方を説明してくれる
  • なぜその入力になるのか、理由もいっしょに教えてくれる
  • 「1. ここを確認する → 2. このルールを当てはめる → 3. このように入力する」と、次に何をすればよいかをステップで示してくれる

といった支援が期待できます。

それでも難しい場合は、仕事相談BOTから「わからない場合はスタッフに確認してください」と案内します。AIだけで完結させず、「スタッフにつなぐ役目」も持たせています。

具体的な仕事相談BOTへの質問の例
  • 画像を添付して質問:「この画像の入力欄は、どの項目をどこに入力すればよいですか?」
  • 作業マニュアルの文章をコピーして質問:「このマニュアルの 〇〇〇〇のところが分かりません。具体的な例を出して説明してもらえますか?」
  • 自分の言葉で状況を説明して質問:「電話番号が2つ書いてあるサイトがありました。代表番号だけ入力するルールで合っていますか?」
AIを通してパソコン作業をしている画像
まき

マニュアルを読んでもよく分からないときに、仕事相談BOTに聞くと丁寧に教えてもらえます。
繰り返し質問することで、業務理解を深めることにも繋がります。

基礎的な操作や「今さら聞きづらいこと」の確認

就労継続支援B型事業所で働く上では、パソコンの基本的な操作で困り事を解消したいシーンもよく発生します。

  • ファイル名の変更方法がわからない!
  • フォルダの作り方がわからない!
  • 開いていたGoogleスプレッドシートを見失ってしまった!
  • コピー&ペーストのやり方がわからなくなってしまった!

などです。

こうした内容は、前にも同じ質問をしていると「今さら聞きにくい」と感じることがあります。そのような時に、仕事相談BOTは、何度同じことを質問しても、丁寧に説明してくれます。人の手間をとらずに、「分かるまで繰り返し聞ける」安心感が生まれます。

実際のQ&Aのイメージは、次のような形です。

利用者

Excelで、横に3つのセルをまとめて選ぶにはどうしたらいいですか?

仕事相談BOT

1つ目のセルをクリックします。
そのままキーボードの Shift キーを押しながら、3つ目のセルをクリックしてください。
すると、間のセルもまとめて選択できます。

利用者

コピーとペーストのショートカットキーを教えてください。

仕事相談BOT

Windowsの場合、コピーは Ctrl と C、ペーストは Ctrl と V を同時に押します。
キーボードに慣れたいときは、少しずつ試していきましょう。

画像に写った文字や数字をテキスト化

仕事相談BOTは、画像に写った文字を読み取ることもできます。例えば、手書きのメモやチラシの写真に写っている電話番号を、数字として書き起こしてもらう使い方です。

会話イメージは次のとおりです。

利用者

この画像に写っている電話番号を、数字だけ教えてください。
(電話番号が写った画像をアップロード)

仕事相談BOT

電話番号は『000-0000-0000』です。

このように、目で読み取るのが大変なときの「代読」のような役割も期待できます。もちろん、最終的には自分の目やスタッフの確認も合わせて行い、入力ミスがないかをチェックしていきます。

まき

例えば、漢字を読むのが苦手な方も、スクリーンショットを撮影して写っている画面をAIに日本語化してもらうことで仕事ができるようにしていただいてます。

記事作成業務でのAI活用事例

広報やブログ記事のような文章作成にも、仕事相談BOTを活用できます。

記事の叩き台作成

記事のタイトルと、どのような記事にしたいかを指示すると、文章の叩き台を作ってくれます。

このときに重要なのがAIへの指示文(プロンプト)です。例えば以下のようなプロンプトで下書きを生成します。

就労継続支援B型でのAI活用について、初心者向けにやさしく説明してください。

出てきた文章をそのまま使うのではなく、「叩き台」と捉えて改善していくことが重要です。表現を自分の言葉に直したり、事業所ならではのエピソードを足したりしながら、スタッフと一緒に仕上げていきます。

ファクトチェック(事実確認)

記事を書いていると、「この説明は一般的な知識として正しそうかな?」「専門用語の使い方は自然かな?」と迷う場面があります。そんな時、仕事相談BOTに文章を貼りつけて、確認してもらうことができます。

「この説明は、一般的な内容としておかしな点はありますか?」
「この文章の中で、専門用語の使い方が不自然なところはありますか?」

といったプロンプトを使うと、気をつけたほうがよい表現を指摘してくれます。ただし、AIの答えがいつも完全に正しいとは限りません。制度や法律、医療に関わる内容などは、必ず人が最終確認を行うことが重要です。

まき

あくまで「チェックの補助」として、うまく取り入れていきましょう!

サムネイル用のキャッチコピー作成

長い記事タイトルから、10〜15字程度の短いキャッチコピーを作るのも、仕事相談BOTが得意な作業です。サムネイル画像やチラシの一言メッセージとして活用できます。やり取りのイメージは次のとおりです。

利用者

タイトル『パパゲーノの就労継続支援B型で大活躍している仕事相談BOTとは?』から、
サムネイル用に10〜15字くらいの短い言葉を3つ考えてください。

仕事相談BOT

1.「AIと一緒に働く練習」
2.「仕事相談の新しい相棒」
3.「聞きやすいAI相談室」

商品発注・計算業務でのAI活用事例

商品発注・計算業務にも仕事相談BOTは活用できます。

計算式に沿って「単価」「個数」を自動計算

商品や消耗品の発注では、「単価」「個数」「予備の割合」など、いくつかの数字を組み合わせて考える必要があります。仕事相談BOTに数値を入力すると、あらかじめ決めておいた計算式に沿って、必要な数量や金額を計算してくれます。

さらに、「この計算式は、何を意味していますか?」と質問すると、計算の条件や考え方を整理して説明してくれます。ただ結果を見るだけではなく、「なぜこの数になるのか」を理解する練習にもつながります。

〜〜〜の場合、単価はいくらになるか教えて。

計算方法を一緒に考える

発注作業をする上では、「ピッタリの数だけ頼むべきか」「少し多めに頼むべきか」など、状況によって考え方が変わります。仕事相談BOTに相談すると、条件に応じた複数のパターンを提案してくれます。最終的にどの計算式を採用するかは、スタッフと相談して決めていきます。

利用者

発注量が5で発注中数が0、
ステータスが納品待ち/納品・検品/発送中/買付交渉中のレコードが0件 の場合、計算結果と発注個数を教えてください。

仕事相談BOT

条件:
・AE列(発注量) = 5
・E列(発注中数) = 0
・ステータスが「納品待ち/納品・検品/発送中/買付交渉中」の該当レコード合計 発注個数 = 0
計算式(アルファベット末尾のSKUの場合): 発注個数 = AE(5) – (該当ステータスの合計(0) – E(0)) = 5 – (0 – 0) = 5
ルール適用: 計算結果が5以上 → 発注個数は5
よって、計算結果:5
最終の発注個数:5

計算結果はあくまで目安として利用し、最終的な発注数や金額の確認は、スタッフがダブルチェックするようにしています。

まき

障害特性で計算が苦手な方も、仕事相談BOTに相談しながら進める方法を覚えることで、発注作業ができるようになった事例もあります。

自己学習へのAI活用

パパゲーノ Work & Recoveryでは、生産活動の他に、15:00以降を自己学習の時間としています。利用者さんはパソコンを使って、自分が好きなことを学びます。

「何を学べばいいか」を一緒に考える

就労スキルを勉強したほうがいいのは分かるけれど、何から始めればいいんだろう?

そんなときも、仕事相談BOTが相談相手になります。

  • 興味があること
  • 得意だと感じること
  • やってみたい仕事のイメージ

などをAIと一緒に整理していきます。

質問の例としては、次のようなものがあります。

「パソコンが苦手でも、これから身につけておくと良いスキルはありますか?」
「将来、事務の仕事にチャレンジしてみたいです。今からできる練習には、どんなものがありますか?」
「コミュニケーションに不安があります。少しずつ自信をつけるための練習方法を教えてください。」

このように聞くと、「候補のスキル」や「小さな一歩」のアイデアを一緒に考えてくれます。

人とAIが一緒にさまざまな案を出し合っている画像

具体的な学習プランを立ててもらう

学習を続けるためには、「無理のないペース」がとても大切です。仕事相談BOTには、期間や頻度も含めて相談してみましょう。例えば次のように伝えます。

1か月くらいで、パソコンのタイピングに少し慣れたいです。1回15分くらいなら取り組めそうです。どんな計画が考えられますか?

すると仕事相談BOTは、

  • 週に何回くらい取り組むか
  • 1回の練習でやる内容
  • できたことを振り返る方法

などを、ステップごとに提案してくれます。最初から完璧な計画を目指すのではなく、「まず1週間やってみて、合わなければ調整する」という考え方で、一緒に試していきます。

まき

通所頻度、1週間の学習時間なども質問に入力すると、自分に合った学習計画を提案してもらいやすいです。

おすすめの教材や資料を教えてもらう

仕事相談BOTに学習教材を探してきて教えてもらうこともできます。

  • 「どんなキーワードで検索すると良いか」
  • 「どのような点に気をつけて情報を選ぶと良いか」

もあわせて尋ねるのがおすすめです。

Wordの基本操作を学びたいとき、どんなキーワードで検索したら良いですか?また、学習サイトを選ぶときのポイントも教えてください。

このように聞くと、

  • 「『Word 初心者 基本操作』などのキーワードがおすすめです」
  • 「企業や公的機関が運営しているサイトかどうかを確認しましょう」

といったヒントが返ってきます。

具体的なサイト名を教えてもらったときも、その情報が公式のものかどうかを、自分やスタッフで確認することが大切です。AIの提案を「きっかけ」にしながら、自分で情報を選ぶ練習にも繋げていきます。

学習のモチベーション維持

自己学習は、やる気が続かない日があって当たり前です。そんなときも、仕事相談BOTに気持ちを言葉にしてみると、少し気持ちが整理されることがあります。

会話のイメージは、次のような形です。

利用者

やる気が出ないときに、どうしたら良いですか?

仕事相談BOT

やる気が出ない日もありますよね。
まずは、今日は5分だけ取り組んでみませんか?
それも難しいときは、ノートを開くだけでも構いません。
終わったあとに、『できたこと』を一緒に振り返ってみましょう。

生成AIを活用した環境調整により可能性を広げる

この記事ではパパゲーノ Work & Recoveryで導入している「仕事相談BOT」という対話型AIについてご紹介しました。就労継続支援B型でどのように職業指導にAIを使っているのか、イメージしていただけたでしょうか。

  • 利用者さんの「ちょっと聞きたい」に応える相談相手として使う
  • 生産活動のルール確認、PC操作の手順、画像データの文字起こしなど細かな作業の疑問に対応
  • 記事作成やタイトル案出し、商品発注に必要な簡単な計算などもサポート
  • 自己学習の計画やモチベーション維持もサポート

など、幅広く生成AIによる環境調整を実践しています。

一方で、AIはあくまで「補助的なツール」です。大切な判断や支援方針の決定は、これまで通りスタッフが情報共有をした上でチームで行い、人とAIのそれぞれの得意な部分を組み合わせるようにしています。

障害福祉の現場でのAI活用に関心のある方、障害のある方やご家族の方にとって、パパゲーノの事例が今後の参考になれば幸いです。

まき

パパゲーノ Work & Recoveryでは、事業所の見学を八幡山・下高井戸・用賀の3拠点で随時受け付けています。
AIを活用した業務環境に興味がある方は、気軽にホームページよりご連絡いただければと思います!

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この記事を書いた人

株式会社パパゲーノ|パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)の職業指導員。また、事業所の立ち上げ責任者として運営業務に従事し、利用者さんの支援と経営に向き合う。障害がありながらも、働くことを通して自分らしさを追求する「ワーク&リカバリー」の考え方を広めることを目指している。

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