生成AIを活用した就労支援事業やAI支援記録アプリ「AI支援さん」の開発を行う株式会社パパゲーノ(代表取締役:田中康雅、住所:東京都杉並区)が運営する「パパゲーノAI福祉研究所」は2025年12月21日(日)、介護・障害福祉現場における生成AI活用の実態調査を実施した調査報告書を公表しました。
- 利用者に関する記録や計画書の作成に生成AIを使用したことがある人は48.2%
- 個人で無料版AI利用が「44.4%」で極めて個人情報漏洩リスクが高い状態
- 職場で明確なAI活用のガイドライン・ルールがあるのは「19.8%」のみ
- 記録等への生成AI利用について上司に報告・相談している人は「41.4%」のみ
- 従業員満足度(eNPS)の向上には年収アップよりもAI活用ルールの整備が約2.2倍効果的
などの実態が明らかになりました。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 介護・障害福祉現場における生成AI活用に関する調査 |
| 調査期間 | 2025年11月25日(火)〜12月6日(土) |
| 調査方法 | Googleフォームによるオンライン調査 |
| 有効回答数 | 184名 |
| 回答者属性 | 就労継続支援B型(29.3%)、就労移行支援(15.2%)、児童発達支援・放課後等デイサービス(14.7%)等に勤務する福祉従事者 |
※本調査は任意回答であり、AI活用に関心のある層が多く含まれている可能性があります。
調査の背景と目的
介護・障害福祉の分野でも「生成AI」「ChatGPT」という言葉を耳にする機会が増えています。しかし現場からは、「興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」「個人情報をAIに入力して大丈夫なのか」「便利そうだけど、学ぶ時間がない」といった声が多く聞かれ、期待と不安が入り混じっている状況です。
当社は、就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の運営と、支援現場向けDXアプリ「AI支援さん」の開発を通じて、生成AIの障害福祉分野での活用に取り組んでまいりました。厚生労働省の「省力化投資促進プラン」でも障害福祉分野におけるDX・AI活用の好事例に選出され、書籍『生成AIで変わる障害者支援の新しい形 ソーシャルワーク4.0』の出版など、業界への発信を続けています。
こうした活動の中で強く感じているのは、「AIを正しく広げるには、まず現場の実態を知ることが大切」ということです。会社に無断で生成AIを使い個人情報漏洩を起こす「シャドーAI」を防ぐためにも、実際にどのくらいの現場でAIが使われているのか、どんな業務に活用されているのか、導入にあたっての不安や障壁は何か、今後どんな研修やサポートが求められているのか。現場のリアルな声を集め、業界全体がAIと正しく向き合うための指針づくりに貢献するため、パパゲーノAI福祉研究所にて本調査を実施しました。
やすまさ生成AI利用について上司に報告・相談している人は「41.4%」にとどまり、会社が把握していない「シャドーAI」が支援現場でも使われている実態が浮き彫りになりました。
eNPS(Employee Net Promoter Score)とは?
eNPS(Employee Net Promoter Score:エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア) は、従業員の職場に対するロイヤルティ(愛着度・エンゲージメント)を測定するための指標です。顧客ロイヤルティを測るNPSを、従業員向けに応用したものです。
測定方法
「あなたの職場を友人や知人に勧める可能性はどのくらいありますか?」という質問に対し、0〜10点で回答してもらいます。
スコアの分類
| 分類 | 点数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 推奨者(Promoters) | 9〜10点 | 職場への愛着が強く、積極的に他者に勧める |
| 中立者(Passives) | 7〜8点 | 特に不満はないが、積極的には勧めない |
| 批判者(Detractors) | 0〜6点 | 職場に不満があり、勧めない・否定的に話す可能性がある |
eNPSスコアの算出方法
eNPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)
スコアは −100〜+100 の範囲となります。プラスであれば推奨者が批判者を上回っている状態です。
eNPSでわかること
eNPSは単なる「職場満足度」ではなく、「自分の大切な人にこの職場を勧めたいか」という本音を反映します。このため、以下との相関が高いとされています。
- 従業員の離職率
- 業務へのエンゲージメント
- 生産性
- サービス品質
介護・障害福祉現場における生成AI活用に関する調査の結果
回答者184名の勤務先は就労継続支援B型(29.3%)、就労移行支援(15.2%)、児童発達支援・放課後等デイサービス(14.7%)と就労支援施設の回答に偏りがありました。


回答者の年代分布は以下の通り。40代(34.8%)が多かったです。
| あなたの年齢を教えてください | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 20代 | 13 | 7.1% |
| 30代 | 57 | 31% |
| 40代 | 64 | 34.8% |
| 50代 | 38 | 20.7% |
| 60代 | 12 | 6.5% |
回答者の平均年収は以下の通り。年収300万円以上400万円未満(29.9%)が多かったです。
| 現在の年収 | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 年収300万円未満 | 38 | 20.7% |
| 年収300万円以上400万円未満 | 55 | 29.9% |
| 年収400万円以上500万円未満 | 36 | 19.6% |
| 年収500万円以上600万円未満 | 19 | 10.3% |
| 年収600万円以上 | 36 | 19.6% |
介護福祉施設で働くスタッフの過半数が「週3日以上」AIを使用
回答者の半数以上(55.4%)が週3回以上AIを使用しており、週1〜2回程度使っている人を足すと71.2%が生成AIを週1回以上使用しています。
ただし、このアンケートは任意回答であり、AI活用に関心のある人が回答に参加した可能性があります。そのため、AIの使用頻度や肯定的な意見は、一般的な福祉・介護従事者全体よりも高く表れる可能性があります。


| 以下の生成AIツールを知っていますか | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| ChatGPT | 176 | 95.7% |
| Claude | 41 | 22.3% |
| Gemini(旧Bard) | 135 | 73.4% |
| Microsoft Copilot | 78 | 42.4% |
| Perplexity | 34 | 18.5% |
| どれも知らない | 4 | 2.2% |
| 生成AI系のサービスをどの程度使っていますか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 日常的に使っている(週3回以上) | 102 | 55.4% |
| ときどき使っている(週1〜2回程度) | 29 | 15.8% |
| たまに使っている(月1〜2回程度) | 24 | 13.0% |
| 過去に使ったことがあるが今は使っていない | 7 | 3.8% |
| 使ったことがない | 22 | 12.0% |
生成AIを使い始めたのは40.7%が2025年から
生成AIを使ったことがある回答者の40.7%は2025年から使い始めています。2025年に入ってから急速に利用者が増加していることがわかります。
| 生成AIを使い始めた時期 | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 2025年 | 66 | 40.7% |
| 2024年 | 50 | 30.9% |
| 2023年 | 36 | 22.2% |
| 2022年以前 | 10 | 6.2% |
個人で無料版AI利用が44.4%で極めて個人情報漏洩リスクが高い状態
生成AIを使ったことがある回答者(78%)のみに対象を絞って生成AIツール利用環境を尋ねたところ、無料版のサービスを使用している人が多数派でした(44.4%)。個人で有料版を課金している方も26.5%で、危険な状態です。
シャドーAIとは、企業・組織が正式に承認していないAIツールやシステムを、従業員が個人の判断で業務に利用することです。個人情報の漏洩、個人情報保護法違反、商用利用禁止のツールを利用するリスクなどがあります。





介護福祉現場で扱う情報は要配慮個人情報を含むため、適切な委託契約や本人同意なくAIに情報入力すると個人情報保護法違反になります。
| 生成AI系のサービスの利用環境 | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 個人で無料版のサービスを利用している | 72 | 44.4% |
| 事業所で導入されているサービスを利用している | 47 | 29.0% |
| 個人で有料版のサービスを課金して利用している | 43 | 26.5% |
法人格別にデータを比較すると、社会福祉法人が最も顕著に個人での無断のAI利用が見られることがわかりました。
| あなたの勤務先の法人形態を教えてください | 事業所で導入されているサービスを利用している(%) | 個人で有料版のサービスを課金して利用している(%) | 個人で無料版のサービスを利用している(%) |
|---|---|---|---|
| NPO法人 | 13.3 | 46.7 | 40 |
| 一般社団法人・一般財団法人 | 35.7 | 28.6 | 35.7 |
| 医療法人 | 20 | 20 | 60 |
| 株式会社・合同会社 | 36.4 | 24.2 | 39.4 |
| 社会福祉法人 | 8 | 24 | 68 |
生成AIをどのような場面で使っていますか?
主な使い方として、プライベートな利用(趣味、雑談など)(11.2%)、会議録・議事録の作成(8.5%)、マニュアル・手順書の作成(7.9%)、利用者・家族への説明資料や研修資料の作成(7.8%)、制度・法令の確認(7.6%)が挙げられました。
| 生成AIをどのような場面で使っていますか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| プライベートな利用(趣味、雑談など) | 94 | 58 |
| 会議録・議事録の作成 | 71 | 43.8 |
| マニュアル・手順書の作成 | 66 | 40.7 |
| 利用者・家族への説明資料や研修資料の作成 | 65 | 40.1 |
| 制度・法令の確認 | 64 | 39.5 |
| 広報・SNS発信の文章や画像の作成 | 58 | 35.8 |
| 文献・論文の検索・要約 | 50 | 30.9 |
| 疾患・障害特性に関する情報や技術の情報収集 | 49 | 30.2 |
| プログラムの企画・運営 | 49 | 30.2 |
| 支援記録・ケース記録の作成 | 48 | 29.6 |
| 個別支援計画・サービス等利用計画など計画書やモニタリング報告書の作成 | 48 | 29.6 |
| アセスメントの整理・分析 | 45 | 27.8 |
| 行政への報告書・申請書類の作成 | 33 | 20.4 |
| サービス担当者会議・面談の準備 | 29 | 17.9 |
| 求人票・採用関連文書の作成 | 26 | 16 |
| 利用者の相談に回答するチャットBOTとして活用 | 19 | 11.7 |
| シフト作成・業務スケジュール管理 | 11 | 6.8 |
| 企業への説明資料や研修資料の作成 | 1 | 0.6 |
| プログラミング業務 | 1 | 0.6 |
| 利用者さんが「〇〇という漫画が好き、ドラマが好き」と話した時に、それがどういう作品なのかとかをまとめてもらってます。 | 1 | 0.6 |
| 作成物等のスケジュール管理 | 1 | 0.6 |
| 企画・プリプロ・クリエイティブ全般 ・事業計画 | 1 | 0.6 |
| プレゼンテーション資料作成 | 1 | 0.6 |
| メンタルケア | 1 | 0.6 |
| 一般的な商取引の適合確認 | 1 | 0.6 |
| 事業の今後の展開など | 1 | 0.6 |
| 営業の事前調査 | 1 | 0.6 |
| 手紙文等の叩き台作成 | 1 | 0.6 |
| 国保連からの通知などの読み込み | 1 | 0.6 |
| 契約書の叩き台作成と入れたい条文の案作成 | 1 | 0.6 |
| 市場調査 | 1 | 0.6 |
| 研修報告書 | 1 | 0.6 |
| 知りたい情報の検索など | 1 | 0.6 |
| 補助金申請など | 1 | 0.6 |
| 言葉の一般的な語彙や解釈 | 1 | 0.6 |
利用者に関する記録や計画書の作成に生成AIを使用したことがある人は48.2%
利用者に関する記録や計画書の作成に生成AIを使用したことがある人は48.2%でした。使いたいが控えている人は21.6%、使う必要性を感じない人は18.5%、使い方が分からない人は9.3%でした。要配慮個人情報を含む、支援現場の情報をAIに入力しているケースも少なくないことが伺えます。
| 利用者に関する記録や計画書の作成に生成AIを使用したことがありますか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| ある(たまに使う) | 40 | 24.7 |
| ある(日常的に使っている) | 38 | 23.5 |
| ない(使いたいが控えている) | 35 | 21.6 |
| ない(使う必要性を感じない) | 30 | 18.5 |
| ない(使い方が分からない) | 15 | 9.3 |
| 本部勤務のため使用場面がない | 1 | 0.6 |
| その分野では使ってない | 1 | 0.6 |
| 現在の業務だと、使う機会がない。 | 1 | 0.6 |
| 面談の録音、文字起こし、要約に使用 | 1 | 0.6 |
現場の不安は「AIそのもの」より「現場での判断の土台の不足」
生成AI利用における困りごと・不安(複数回答)としては以下のような回答が多かったです。
| 困りごと・不安 | 割合 |
|---|---|
| 誤った情報(ハルシネーション)を出力された | 53.7% |
| 支援の文脈に合わない提案をされた | 34.0% |
| 著作権や知的財産権の問題が不安 | 33.3% |
| 個人情報をどこまで入力して良いか分からない | 29.0% |
| 依存しすぎて自分で考える力が落ちた気がする | 27.2% |
| 職場の方針・ガイドラインが分からない | 20.4% |
現場は「AIそのものが怖い」のではなく、「どこまで信じてよいか」「何を入力してよいか」「どこまで使ってよいか」という判断の土台が不足していることに不安を感じています。これは教育とルール整備で解消できる不安です。
生成AIの利用状況:7割超が週1回以上活用、「シャドーAI」が課題に
回答者の71.2%が生成AIを週1回以上使用。利用者の約4割(40.7%)が2025年に入ってから使い始めており、介護・福祉現場でのAI活用が急速に広がっています。
しかし、職場で明確なガイドライン・ルールがあるのはわずか19.8%でした。「ない」が69.1%、「分からない(11.1%)」を含めると「80.2%」の職場でルールが整備されていない状況です。
| 生成AIの使用について、あなたの職場では明確なルールやガイドラインがありますか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| ない | 112 | 69.1% |
| ある(条件付きで利用を認めている) | 32 | 19.8% |
| 分からない | 18 | 11.1% |
さらに、記録等への生成AI利用について上司に報告・相談している人は41.4%にとどまり、事業所が把握していない「シャドーAI」の存在が浮き彫りになりました。
| 記録等への生成AI使用について、上司や同僚に報告・相談していますか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 報告・相談してAIを利用している | 67 | 41.4% |
| 使っていない | 53 | 32.7% |
| 報告・相談していない | 42 | 25.9% |



生成AIに関する職場のルールづくりが急務です。
eNPSは「-16.85」と批判者の割合が多い
NPS(Net Promoter Score:職場を知人に勧めたいかを0〜10点で評価)を分析すると、「推奨者 (Promoter) の割合 :30.43%から「批判者 (Detractor) の割合:47.28%」を引いたeNPSのスコアは「-16.85」でした。
| 分類 | 人数 | 割合 (%) |
|---|---|---|
| 推奨者 (Promoter) | 56 | 30.43% |
| 中立者 (Passive) | 41 | 22.28% |
| 批判者 (Detractor) | 87 | 47.28% |
| 合計 | 184 | 100% |
| 項目 | 件数 | 平均 | 中央値 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|---|
| あなたの事業所で働くことを、知人にお勧めしたいと思いますか? | 184 | 6.28 | 7 | 3.19 |
社会福祉法人・医療法人で働くスタッフは従業員満足度が低い
法人形態によってeNPSスコアに大きな違いが見られました。
一般社団法人・一般財団法人 (eNPS: 21.43)と NPO法人 (eNPS: 18.75) が、特に高いスコアを示しました。これらの法人形態では、奨励者の割合が批判者の割合を大きく上回っており、従業員が勤務先を知人にお勧めしたいと考えている度合いが高いことが分かります。
社会福祉法人は eNPS「-48.28」、医療法人は「-66.67」と、批判者の割合が非常に高く、従業員満足度の向上が急務である可能性が示唆されます。
| 法人形態 | 奨励者 (9-10点) | 中立者 (7-8点) | 批判者 (0-6点) | 合計 | eNPSスコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般社団法人・一般財団法人 | 7 | 3 | 4 | 14 | 21.43 |
| NPO法人 | 7 | 5 | 4 | 16 | 18.75 |
| 株式会社・合同会社 | 36 | 25 | 53 | 114 | -14.91 |
| 社会福祉法人 | 5 | 5 | 19 | 29 | -48.28 |
| 医療法人 | 0 | 2 | 4 | 6 | -66.67 |



勤務先の法人格によって、顕著に従業員満足度の差が現れていました。
従業員満足度への影響:「AIのルール整備」は「年収アップ」の約2.2倍の効果
NPS(Net Promoter Score:職場を知人に勧めたいかを0〜10点で評価)を従属変数とした重回帰分析を実施した結果、AI活用ルールの整備が従業員満足度に与える影響は年収アップの約2.2倍であることが判明しました。
重回帰分析の結果
| 変数 | 係数 | p値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 管理職 | +1.52 | 0.0007*** | 管理職はNPSが約1.5ポイント高い |
| 年収 | +0.54 | 0.0008*** | 年収1段階上昇でNPS +0.5 |
| AIルール整備 | +1.19 | 0.036* | AI活用ルールがあるとNPS +1.2 |
| AI日常的利用 | +0.90 | 0.039* | 週3回以上利用者はNPS +0.9 |
| 業務変更必要性 | -0.44 | 0.019* | 「AI導入で変更必要」認識はNPS低下 |
(調整済みR²=0.228、***p<0.001、*p<0.05)
NPS = 4.64 + 0.54×年収 + 1.52×管理職 + 1.19×AIルール整備 + 0.90×AI日常利用 – 0.44×業務変更必要性
この結果は、「給料が低いから、介護福祉の従業員満足度が低いのは仕方ない」という従来の考え方に一石を投じるものです。AI活用ルールの整備は、組織としての方針の明確さ、新技術への前向きな姿勢、スタッフへの配慮やサポート体制の表れとして、従業員満足度に大きく寄与していると考えられます。



予算が少なく人件費負担を増やせない事業所でも、AIのルールを整備すれば従業員満足度が上がり採用力向上や離職防止に繋がる可能性が示唆されます。
研修ニーズ:9割超が「AIの使い方を学ぶ機会が必要」
- 「AIの使い方」を学ぶ機会が必要:92.9%(非常に必要67.4%+やや必要25.5%)
- AI関連研修への参加意向:88.3%(ぜひ参加したい46.4%+機会があれば参加したい41.9%)
- 学びたい内容1位:「生成AIの適切な使い方(プロンプトの書き方など)」58.2%
| AI関連の研修があれば参加したいですか? | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| ぜひ参加したい | 83 | 46.4% |
| 機会があれば参加したい | 75 | 41.9% |
| どちらともいえない | 14 | 7.8% |
| あまり参加したくない | 2 | 1.1% |
| 参加したくない | 5 | 2.8% |
| 福祉・介護の専門職向け研修で学びたいAI関連の内容 | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 生成AIの適切な使い方(プロンプトの書き方など) | 107 | 58.2 |
| 福祉・介護現場でのAI活用事例 | 86 | 46.7 |
| 生成AIの限界とリスク(ハルシネーション、バイアスなど) | 83 | 45.1 |
| 個人情報保護とAI | 81 | 44 |
| 記録・計画書作成への具体的な活用方法 | 77 | 41.8 |
| よくあるAI活用の失敗事例・ヒヤリハット | 74 | 40.2 |
| 福祉・介護におけるAI倫理 | 70 | 38 |
| 生成AIの基本的な仕組み | 65 | 35.3 |
| AI時代に求められる福祉・介護専門職の役割 | 60 | 32.6 |
| AIと共存するために必要な専門職のスキル | 53 | 28.8 |
| 利用者のAI活用を支援するスキル | 50 | 27.2 |
| 特にない | 3 | 1.6 |
46.2%が生成AIに頼りすぎると専門職としての思考力や判断力が低下すると実感
46.2%が生成AIに頼りすぎると専門職としての思考力や判断力が低下すると実感していました。
| 生成AIに頼りすぎると専門職としての思考力や判断力が低下する | 件数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 強くそう思う | 32 | 17.4 |
| ややそう思う | 53 | 28.8 |
| どちらともいえない | 54 | 29.3 |
| あまり思わない | 32 | 17.4 |
| 全く思わない | 13 | 7.1 |
分析結果をまとめたダッシュボード
本調査のデータを可視化したTableau Publicのダッシュボードを以下に公開しています。ビジュアルでわかりやすく調査データを確認することができます。
調査結果からの提言
本調査結果を踏まえ、福祉現場の経営者・管理職に向けて以下の3点を提言します。
- 事業所でのAI活用ルールを明確にする
- 「AI導入で大きな変更が必要」と感じさせない
- 支援現場での「AIの正しい使い方」の研修に投資する
事業所でのAI活用ルールを明確にする
既に介護・福祉の現場では、従業員が上司や会社に報告せずに生成AIをさまざまな業務に活用しています。また、「使っていいのかわからない」という曖昧な状態はスタッフのストレスになります。「シャドーAI」を防ぐために、どのような場面で、どのように使ってよいのかを明示することで、安心してAIを活用できる環境が生まれます。
特に社会福祉法人・医療法人では、AIのルール整備がないことが、従業員満足度の低下に繋がっている可能性も示唆されました。「シャドーAI」が常態化する前に、事業所でのAI活用ルールを明確にしていくことが重要です。
「AI導入で大きな変更が必要」と感じさせない
AIは業務を根本から変えるものではなく、日々の業務を少し楽にするツールとして位置づけましょう。段階的な導入や、既存業務に馴染みやすい形での活用が望ましいです。



パパゲーノで開発している「AI支援さん」は1ヶ月無料でお試しいただけます。社内のAIに関する勉強の一環として無料トライアルをしていただく事業所さんも増えていきています。
支援現場での「AIの正しい使い方」の研修に投資する
現場は学ぶ意欲があります。生成AIの基礎や情報セキュリティ研修を通じて事故を未然に防ぐことに投資すべきです。



パパゲーノでは、介護福祉施設に向けた生成AI研修や、情報セキュリティ研修、社内ポリシーの策定コンサルティングを提供しています。また、支援現場のAI活用の法務リスクをまとめた書籍も出版予定です。
調査結果のローデータ・分析結果データ



調査データは介護福祉業界のAI活用の発展に寄与する目的であれば自由に再解析いただいて構いません。活用する際は「パパゲーノAI福祉研究所」と出典を明記してください。
株式会社パパゲーノについて
株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指し、「リカバリーの社会実装」を事業を通して行う会社です。精神・発達障害のある方を対象とした就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の運営、支援現場のDXアプリ「AI支援さん」の開発・提供を行っています。
- 会社名: 株式会社パパゲーノ
- 所在地: 東京都杉並区上高井戸1-13-1 ルート上高井戸ビル 2階A号室
- 代表者: 代表取締役CEO 田中 康雅
- 事業内容: 就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の運営、AI支援さんの開発、企業のDX支援
- 公式ホームページ: https://papageno.co.jp/
- 公式YouTube: https://www.youtube.com/@papageno_jp
- パパゲーノAI福祉研究所: https://ai-fukushi.net/
本件に関するお問い合わせ先
- パパゲーノAI福祉研究所 調査責任者:田中康雅
- Email:info@papageno.co.jp
※本調査結果を引用・転載される場合は、「パパゲーノAI福祉研究所」と出典を明記してください。










